希!救急車で運ばれる

三井ホームの住宅建築現場の見学会に行っていた。加古川集合で、バスに乗り換え、基礎工事現場⇒住宅展示場⇒お宅見学⇒上棟現場見学⇒完成現場見学という流れのはずだった。希はバスに乗れたことが嬉しかったのか、非常に機嫌もよく、おりこうさんでした。子供づれが多く、見知らぬ人に興奮気味で、いつもは昼寝の時間なのだが、歩き回りたいと元気そのものだったのだが、それは上棟現場でおきました。まだ、内装もできていない建物の中に入ってすぐの出来事だった。少し目を離した瞬間に、開いた扉から希が転落してしまった。工事現場です。非常に場所がわるかった。コンクリート足場を2段転げ落ち、砂利の上に転倒したのだ。更に小雨が降っていました。慌てるサト、私は拾い上げようと足場から手を伸ばすが届かず。サトが外に出て抱きかかえて来たが、サトも悲鳴を上げていたことから少し覚悟を決めた。急いでそばに駆け寄ると、大量の出血で泣き叫ぶ我が娘。みるみるハンカチと衣服が血に染まる。目じゃないことに少し安心したが、傷口を見るまでは安心できない。出血の原因を確認すると額に2センチくらいのキズ。勢いよく血が噴出しているので、深さが相当なのかもしれないと再度覚悟を決める。現場は騒然となり、他の見学客の心配そうなまなざし、スタッフの慌てよう、サトの自責の言葉。雨の中で意外と冷静な自分。ただ、何もしてやれない無力な自分がもう一人。スタッフの一人が救急車!と叫んで手配をしてくれている。私は携帯電話の入ったカバンをバスにおいてきていることに気付き、スタッフに聞くもバスは現場から離れており、呼び戻すとのこと。しばらくしてカバン等の持ち物一式が到着した。姫路のサトの父親に報告し救急車で搬送される予定を伝えヘルプ要請。少ししてから救急車が到着。およそ7,8分くらいだっただろうか、娘の「痛い!痛い!」と泣き叫ぶ声が雨空に響き渡り、非常に長く感じられた。救急車に乗り込み、隊員に状況を説明し、患者情報を何かの紙に書くよう指示される。搬送先を手配するも、すぐに見つからない。小さな子供は、措置が難しく、訴訟問題も多く、受け入れが困難とのこと。10分くらいはその場で出発できなかったのではないだろうか。非常に腹立たしかったが、娘も泣きつかれ寝てしまっていたことがせめてもの救いだった。小児科で断られた日赤病院に外科の先生がいるとのことで受け入れOKがでた。5分くらいで到着。娘は疲れていたのか傷口の消毒等の措置をされても目を覚まさなかった。休日の急診は研修医と妹が言っていたがズバリ若い先生が診察してくれた。1.5cmくらいです。それほど深くはなさそう。縫うか迷うとのこと。女の子なのでキズが残らない方法を取ってほしいとお願いすると。少し年上のT先生へ相談したもよう。T先生曰く、消毒して措置します。テープでよい。とのこと。措置後、詳しく話をしてくれる。概ねこうだ。1週間はテープ固定でキズはくっつく。はがれたり、出血がひどくなるようだと近くの病院へいくように。外傷はそれほどひどくは無い。内傷は今はわからない。転倒時に手足をバタバタさせていたのなら恐らく大丈夫。2,3日様子をみて、頭が痛いとか吐き気を催すようなら診察必要。CTなどこの年齢ではわかりにくいので様子をみてからしたほうがよい。止血テープで額を固定された娘をみて一先ず胸をなでおろす。まだ寝ている。診察室から外に出ると、サトの父親、昨日中国から帰って来たばかりの妹。更には、三井ホームの方が二人おられ謝罪された。工事現場に連れて行ったのは我々だし、不注意だったのも我々なので丁寧にこちらも謝罪。診察費用支払いまで少し時間がかかったので、営業さんも着てくれる始末。同じ営業として申し訳なくさえ感じたが、ちゃっかり加古川まで送ってもらってしまいました。雨が降る散々な一日でしたが、娘の一大事になんと無力な父親なのかとつくづく落ち込みました。そんなことを知ってか知らずか、家につくなり、額を赤く染めて陽気に歌っている娘。「ごめんな」と言って抱きしめました。