採用基準 / 伊賀泰代

【評価】★★★★★

【感想】
リーダーシップの本読むならこれ。と、ちきりんさんが言ってました。
なるほど、マッキンゼー出身の方の著書。叩き込まれたOSが同じ方なので共感できるわけですね。

P50 最もインテリジェントだと思われているのは、処方箋(新しく独自性、実現時にインパクトがあるもの)を描くための能力がある人
P64 顧客の企業価値向上を実現するためには、解決策を検討する段階から組織の中に入り込んで現場のスタッフの信頼を獲得し、最終的な提案内容についても、様々な部署と調整しながら、組織のルーチンに落とし込んでいく必要がある
P66 いじめをやめさせようと思えば、学校の中に強力なリーダーシップが必要となります。教師であれ、それを見ていた子供であれ、子どもから話を聞いた親であれ、誰かに強力なリーダーシップがないと問題は解決できません
P70 不満を持つメンバーを納得させ、チームをまとめていくのがリーダーシップです
P82-84 大企業で劣化する人
 ・社会人として最初の職業訓練で、「仕事のスピードや成果へのこだわり」、「ヒエラルキーにとらわれない自己主張」、「柔軟にゼロから思考する姿勢」を失ってしまう
 ・黒字部門のおかげで、ずっと赤字部門で働いている人もいる、そんな「利益を出すこと=コスト削減」になっている人にビジネス展開は無理ゲー
 ・公務員組織で育った人は、前例のないこと、法律で禁止されていることに関しては完全に思考停止になってしまう
P89 成果を達成するためには必ずリーダーシップが必要となります。日本では時にビジネスの現場でさえ、成果より組織の和が優先されることがあります。特に大きな組織には、他部署が決めた方針にはむやみに口を出さない、という暗黙のルールがあります。たとえ失敗してもその部門の人が責任をとるのだから、部外者の自分達があれこれ言うのはよくない、と考える人がいるのです。
P91 成果が厳しく求められない状況が多いからこそ、日本ではリーダーシップが問われることが少ないのです。あえて摩擦を起こす必要性がないため。
P91 スポーツは「勝利する亅という成果目標が明確であり、ごく自然に全員に共有されている。わかりやすい成果主義
P96 いざと言うときに選ばれるリーダーとは、成果目標の無い時に選ばれる「あいつはいい奴」とか「好感が持てる奴」、「一緒にいて楽しい人」、「よく出来た人」ではない。
P106 なぜ日本では、リーダーが雑用係になってしまうのか?理由は、「リーダーは組織に一人いればよい」と考えているから。リーダーが決まったのだから、その人がすべてをやるべきだ。という誤った考えが、リーダーを雑用係にしてしまう。
P111 人はチャレンジを続けていると、次々と新しいこと、より大きな仕事を手がけることが怖くなくなります。反対に、簡単にできる仕事ばかりやっていると、できないかもしれない仕事が怖くなります。毎日やっていればなんてことのない自動車の運転でも、数年ぶりとなれば怖く感じるのと同じです。
P117 人間はみんな打算的で、求められる努力と、結果として得られるものがバランスしていないと感じれば、努力をしなくなります。だから、是非到達してみたいと感じさせることが必要。
P148 これは、「自分の仕事に関しては自分がリーダーであり、パートナーやマネジャーを含めた関係者をどう使って成果を最大化するのか、それを考えるのがあなたの仕事だ」という意味です。
P178 現実の社会を考えた時、集団や組織を動かさずに成果を上げられることはほとんどありません。ところが日本では教育現場においてさえ、そういった経験を求められません。これでは、社会に出た後も、組織を動かすなんて不可能です。
P225 運席に座ってハンドルを握ることには、さまざまな負担が伴います。他人の命を預かるとクリスクを負っているわけですから、他の席と違って居眠りもできないし、のんびり景色をしむこともM難です。それでも、「やっぱり自分でハンドルを握りたい、自分がドライバーして選んだ道を走りたい」と思った時、それを可能にしてくれるのがリーダーシップという技術なのです。l